砂漠のギャング、ミーアキャットの飼い方

最近、ミーアキャットを飼う人が増えています。
日向ぼっこをしたりお洋服を着たり、かわいいですね。
飼ってみたいけれど、餌は?環境は?家畜化されていない野生動物を本当に飼えるの?
実際に飼ってみた本当のところ、お教えいたします。

目次

  1. うちのミーアの自己紹介
  2. ミーアキャットをお迎えした際に気をつけること
  3. ミーアキャットは何を食べるの
  4. ミーアキャットが快適に過ごせる温度
  5. ミーアキャットのおトイレ事情
  6. ミーアキャットはいたずらっ子
  7. ミーアキャットは意外と言葉が通じる
  8. ミーアキャット飼育、良い事ばかりでもない
  9. ミーアキャットとお散歩できるの?
  10. ミーアキャットは飼えるの?

【ミーアキャット基本情報】
アフリカに棲む1㎏もない小さな動物です。群れを作り暮らしています。
ライオンキングに出てくるティモンが有名です。
そして、あのキャラクター通りのお調子者です。

学名はSuricata suricata。なので、別名スリカータとも呼ばれています。

二本足で立ち日向ぼっこや見張りをしている姿を動物園などで見たことがあるかもしれません。

プレーリードッグとどっちがどっちだっけ?というお声をよく聞きますが、プレーリードッグはげっ歯類でネズミやリスなどの仲間。
ミーアキャットは強いて言えばイタチやマングースなどの仲間です。
歯の形が全く違います。しっかり牙(犬歯)のある動物です。

野生ではサソリなどの虫(厳密にいうと昆虫ではない)や鳥などを食べているようです。
我が家のもバッタやセミ、ミルワームなどを大喜びで食べます。

1.うちのミーアの自己紹介

生後1か月でうちに来たミーアキャット。名前をチョリータと申します。
知人のお家で産まれてしまい、意外と貰い手がいない!と困っていたので引き取りました。
親ミーアを飼っていたのがペルーの方だったので、インカ帝国の血をひく人々をあらわすチョロと名付けました。
ところが!多分オスだと聞いていただいたミーアは、どうやらメスだったようです。
改名して女の子の呼び方、チョリータになりました。

その兄弟のポン(オス)が姉の家にいるのですが、後ほど登場いたします。

2.ミーアキャットをお迎えした際に気をつけること

大変でした。一応ケージは買っていたけれど、閉じ込めるのが嫌で放し飼いです。
両親及び兄弟たちから急に離されて寂しかったミーア。
毎朝夜明けとともに大きな声で「ギャン!ギャン!」と鳴きわめきます。
近所迷惑になるなと、夜明けとともに私も起きて「大丈夫だよ」と寄り添いました。
仕事もあるし、毎朝これじゃかないません。

夜、家に帰るとチョリータがいない。
「どこにいる?」と声をかけながら耳を澄ますとかすかに「カタッ!」と音がしました。
その音の方を探してみると、とんでもないような隙間に隠れていたこともあります。
大丈夫だよと引っ張りだしてヨシヨシするものの、なかなか馴染みませんでした。

困ったなと思っていたところ救世主が!
我が家の20歳超のボスネコ(去勢オス)のランディが、保護役を引き受けてくれました。
ランディがペロペロしたり添い寝したりしているうちに、チョリータも落ち着いてきました。
マジネコ感謝!うちのチョリータが良い子なのは、今は亡きランディのおかげです。
一週間ほどで落ち着きました。

姉の家のポンは、最初はケージに入れていました。
チョリータ同様、夜明けとともに鳴き叫ぶので、
姉は上半身ケージに入り「大丈夫だよ、どしたの?」とずっと話しかけ続けたそうです。
どちらにせよ1~2週間ほどで新しい環境に慣れてくれました。

3.ミーアキャットは何を食べるの?

全ての生物、エネルギー補給ができないと生きていけません。
食べ物は大切です。
ミーアの赤ちゃんをいただいた際、ミーア親の飼い主から「離乳食はフェレットフードをふやかしてあげて」と言われました。
最初は真面目にそれを与えていたけれど、気付いた時には猫のカリカリを食べていました。
なら、それでいいじゃない!
というわけで、キャットフードが主食です。

ミーア親のお家では、様々な野菜やお肉に火を通してオリジナルご飯を与えているそうです。
個人的にはキャットフード(総合栄養食)で何の問題もないと感じています。
キャットフード以外には野菜、お肉、果物、発酵食品などなんでも。味のついていない野菜、肉、果物は気軽に与えます。
納豆などの発酵食品やニンニク・ネギなどの動物に与えてはいけないと言われている食品も普通に食べます。
というか、盗み食いします。

テーブル生活をしている人は良いのですが、床の生活、卓袱台などの生活の人は…
ミーアの手が届くところの食べ物は奪われるのでご注意ください。食い意地は犬猫以上!
床の生活をしている姉の家のポンは食い意地MAXです。人間が食事中はケージに入れています。
それでも、ちょっとしたスキをついて食べ物を奪います。
チョコレート(これまた動物に与えてはいけないと言われています)も好きで、カバンの中などに入っているものを目ざとく見つけて食べてしまうそうです。
取られた食べ物を取り返そうとすると、牙をむいて「ゲッゲッゲ!(怒)」と言います。

なお、うちのチョリータは私が食べているものを少量、普段から与えているので食い意地はそうでもありません。
結論として、主食はキャットフード。副菜はなんでもOK!

謎の緑の塊を食べていたので取り上げたら、カビの生えたイチゴだったことがあります。
ゴミ箱から拾ったのね…
コロッと落としたアボカドの種を奪われたこともあります
慌てて取り返したら、種の半分ぐらいを食べていました。
おなか壊すかな?と心配したのですが、大丈夫でした。

食べ物を取られた際の対処法としましては、脇の下を持ってブラーンとぶら下げます。
あとは根競べ。食べ物を口から離すまでブラーンとしておけばOK。
唐揚げなどは、この方法で取り戻します。
私のエサを奪うなんて、言語道断です♪

4.ミーアキャットが快適に過ごせる温度

寒いのは苦手と言われるミーアキャット。
飼ってみた感じ、体感温度は私たち人間と同じ感じです。
動物園のミーアも真冬に屋外で日向ぼっこしているもんね!
冬場は私が快適な20℃にエアコンを設定しています。夏は28℃ぐらい。
それでミーアも大丈夫です。寒ければ人間にひっついてくる。
又は、猫とひっついています。

とある秋口、エアコンいらずの気持ちの良い日々。
窓を少し開けて出かけました。
日が暮れて急に寒くなったある日、仕事を終えて帰って来たら・・・。
お出迎えに出てきたミーアキャットが、ガタガタ震えていました。
慌てて抱きしめて温めてあげました。
さすがに反省…寒いのが平気なわけではないようです。

5.ミーアキャットのおトイレ事情

うちのも姉の家のも、ウンチは普通に猫トイレでしています。
おしっこは部屋の片隅でしてしまうことがあります。まあ、拭けば良ろし!
私は夜、ミーア&猫たちと一緒に寝ているのですが、オネショもします。
オネショシーツを敷いて、週に一度お洗濯。
猫のおしっこほど臭くありません。

夜寝ていると、生ぬるいのがジワリ。
やられた!と思うのですが、私の眠いのが勝つのでそのまま寝ます。
細かいことを気にしていたら、動物は飼えません。

6.ミーアキャットはいたずらっ子

これは、諦めましょう。
家じゅうの引き出しという引き出し、すべてを開けて中身を出してくれたことがあります。
お子様用の引き出しロックなどを活用して対処しています。
基本的に怒っても無駄です。
それより穏やかに言ってきかすほうが、そのうちに分かってくれます。
または飽きるまで好きなようにさせます。

本人が気になっている間は、途中でやめさせても絶対にそのいたずらを再開します。
ならば気のすむまでさせて興味をなくさせた方が、こちらとしても精神的に楽です。
畳ホリホリ、カーペットの端っこをホリホリ、靴下の模様をホリホリ、かさぶたホリホリ、ほくろホリホリ!
ホリホリは彼らの仕事です。人間側が諦めるしかありません。

ある日帰宅すると、家の床が血だらけ!
ミーアキャットの爪が、根元から折れていました。
その折れた爪で、色々なところをホリホリした結果です。痛くないのかな?

なお、痛みを感じないわけではありません。
猫のエサの空き缶をゴミ箱から引っ張り出したチョリータ、顔を突っ込んで食べようとしたら目の縁をザックリ切ってしまいました。
それが化膿して、顔がパンパンに!
その間丸一日、ずっとうずくまって動きませんでした。
すごく心配したのですが、人間用の化膿止め軟膏を塗ってあげたところ、次の日に膿が出て回復。
今でも傷が残っているので、見るたびに反省しています。

最近のチョリータの別名は、いたずらっ子を略してラッコです。
「こら!ラッコさん、何しているの!」ってな感じです。
コップやごみ箱、私の夕飯を皿ごとひっくり返したり。
イラっとすることもありますが、笑いの絶えない毎日です。

7.ミーアキャットは意外と言葉が通じる

ラッコさんついでに。
ラッコと呼ばれた時は、何かダメなことをしていると学習したようでやめるようになりました。
お利口さんです。

姉の家に遊びに行き夜更かししていた際のポンのエピソードもあります。
夜の11時ぐらいになり、眠くなったポン。
「もう寝ようよ」と姉に寄り添ってきました。
甥っ子が先に寝ていたのでそちらを指さし、「あっちで寝れば良いじゃん」と言ったところ。
数秒「ん~?」と悩んだあと甥っ子の部屋にスタスタと行き、お布団に潜り込んで寝ました!
ピンポイントで言葉が通じて驚きました。ミーアキャット、面白いと思います。

8.ミーアキャット飼育、良い事ばかりでもない

私の母が、姉の家のポンに噛まれたと聞きました。
私はしょっちゅう遊びに行っていて仲良しだったので、大丈夫だと思っていたら。
もろにやられました。

その日は夕方から姉の家に遊びに行っていました。
ポンはいつも通り、私の膝でくつろいだり、ホリホリしたり、ヘソ天で寝ていたり。
夜も更けてきて、私の膝で寝ていたポンス。
私はトイレに行きたくなったので、両手ですくうように持って下ろそうとしたら。
警告なしのいきなりマジ噛みされました!親指を根元からくわえ、左右にブンブン!

もげるかと思いました。
ミーアキャットってけっこう小さい生き物です。
振り払ったらケガをさせてしまうなと困惑していたところ、姉が慌てて牙をはずしてくれました。
私の右手は血ダラダラ。
そこから数週間、腫れて使い物にならなくなりました。

病院には行きませんでした。
私はよく負傷するので、医者に行こうが行くまいが外傷の治りに差はないと思っています。(縫うのは別として)
捻挫なども医者に行ったところで、冷やして動かさないでと言われるだけです。自力で治せます。
普通の人は、病院に行きましょう♪
動物から感染する病気もなくはないようです。

閑話休題、私の知る他の動物は、攻撃するときは警戒や恐怖からだったりします。
ポンは違います。思いっきり噛むのが楽しかったようです。
野生のミーアキャットのウォーダンスを検索してみてください。
縄張りに他の群れが侵入してきた!よっしゃ、ケンカだ!と、はしゃぐ姿を見ることができます。
彼らはオラオラするのが習性なようです。

それからというもの、私が遊びに行くと「噛んでやるぜ~」とニヤニヤしながらオラついてきます。
ケージに閉じ込めるのも嫌なので、姉の家での私の定位置は脚立の上です。
手だけがターゲットなようで足は平気です。
私の足の甲の上でくつろいでいることもあります。
謎の生き物、ミーアキャット。

なお、うちのチョリータは初めての人が来ても平気です。
ねぇねぇ、何しているの?と背中から肩に登ったり抱っこされたり、人懐こいです。個体差あり。

9.ミーアキャットとお散歩できるの?

ハーネスをつけてお散歩に行くこともできます。
小型犬、チワワなどよりかなり体が細いので、フェレット用のハーネスがおすすめです。

一度家の近くの公園で、ハーネスからスルリと抜け出し人の入れない柵の向こう側に行ってしまいました。
あれ、困った…
とりあえずしゃがみ込み、土をいじりながら「チョリータ、ちょっと来て。これなんだろ?」と話しかけたら、「え?何々?」と戻ってきました。
そのままワシっとつかみ、抱っこして帰宅。
途中「降ろしてよう、歩きたいよう」と暴れましたが、がっちりホールド。無事にお家に着きました。

姉の家のポンは、リードなしでお散歩できます。
少し遠くに行ってしまっても、姉が離れるとついてきます。
とはいえ、知らない犬などに近づいてしまうことがあるので、基本はリードをつけているそうです。

散歩自体は別に嫌いではないようです。
最初はトラックなどが来ると驚いていましたが、すぐに慣れました。
道を歩いていると、通り過ぎる人たちから二度見されます。
通り過ぎて数分後に戻ってきた人から「その動物、なんでしたっけ?」と聞かれたこともあります。
なんか見たことがあるけど、そこまで有名ではない。それがミーアキャット!

とはいえ、リードをつける際にものすごく暴れます。
だから最近は面倒くさくなって、お散歩に連れて行かなくなりました。
という訳で、お散歩は行っても良いし、行かなくても良い。
犬を飼うよりも楽だと思います。
お外に行かなくても、そんなにストレスではないようです。
家の中を猫と一緒に走り回っています。

ある日公園に行ったら、3~4歳ぐらいの子供が近づいてきました。
多分5歳まではいっていません。
「ゆっくり近づいて、しゃがんで、下から手を出したら触れるよ」と教えてあげたら。
ほかの子供たちが「ミーアキャットだー!」と騒ぎながら走ってきたのでミーアびっくりしてパニック!
その子は触れませんでした。

数週間後、同じ公園に行ったらその子がミーアを見つけて走ってきました。
そして3mほど手前で立ち止まり、ゆっくり近づき、しゃがんで、下から手を出して。
無事にミーアキャットをヨシヨシすることができました。
「あれ、触れたね。上手上手♪」と褒めてあげたら、満面の笑み!
ホッコリしました。
なお、急に姿を消した息子を探すお母さま。
お母さん、こっちこっちと手を振ってあげて、事なきをえました。

なお、ミーアキャットにボールを投げてきたり、大きな声を出して驚かすお子様(別名:クソガキ)もいます。
生き物を好きというのは、生まれつきなのかなと思う今日この頃。
動物の気持ちが分からない人は、一生分からない。
分かる人は生まれつき分かる。
そんなものです。

10.ミーアキャットは飼えるの?

結論、飼いたければ飼えば良い!
犬や猫を普通に飼ったことのある人でしたら、問題なく飼えると思います。
それなりに言葉が通じるし、懐くし、表情豊かだし、こんなに可愛い生き物だと思いませんでした。
抱っこしろというのでしてあげたら、幸せすぎるという顔をして微笑みます。人間を信頼してくれて、家族の一員になる動物です。

ネットの動物の飼い方情報を見るとあれはダメ、これもダメ。
なんだか難しそうです。
確かに、まれに凶暴な個体がいるミーアキャット。
しかし姉の家のポンも、家族にはべったりで本気で噛むことは絶対にありません。

自分で動物を好きだと思っているけど、生まれつき動物好きから見るとそうでもないという人がいます。
そんな人たちが気軽に動物を飼って可哀そうなことになるのは見ていられない。
だからかネット上の動物の飼い方は、妙にハードルを上げているなと感じます。
しかし、動物を好きな人のほとんどが、ちゃんと動物を好きです。
謎な飼い方をする変な人は、ごく一部。

これからも、ネットのコピペではなく自分の実体験をあげていきます。
楽しんでいただければ幸いです。


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